第7次医療法改正について

藤井経営の藤井武です。
今回は昨年9月に施行されている改正医療法について、触れたいと思います。
この改正により、医療法人の機関(社員総会、評議員、評議員会、理事、理事会及び幹事)に関する規定が、一般社団法人・一般財団法人と同様に整備されています。

平成27年9月に28日に公布された改正医療法は、平成28年9月1日施行となる第1弾と平成29年4月2日施行となる第2弾による2段階の構成となっています。

第1弾となる昨年9月1日施行の内容は、
・医療法人のガバナンス強化
・医療法人の“分割”制度創設
・社会医療法人制度の認定要件等の見直し
第2弾となる今年4月2日施行の内容は、
・地域医療連携推進法人制度の創設
・医療法人の経営の透明性の確保

以上が主な内容となっております。今後の医療法人の運営上で、定款変更認可申請等が必要となる場合もあるため、その改正内容については注意が必要となります。
今回は、第1弾の改正内容で医療法人のガバナンス強化に関する留意点について記載したいと思います。

今回の改正では、医療法人の役員の義務と責任と理事会の職務が規定されました。
これにより、理事会等における医療法人の意思決定における理事の業務執行における権限等が規定され、理事会での決議の重要性が非常に高まり、組織としてのコンプライアンス意識を高める必要があります。

例えば、昨年9月1日以降における医療法人と理事間の取引(利益相反取引)では、これまでは所管する都道府県に対し特別代理人申請し、認可を受けることで、直接の利害関係人ではない者が医療法人と理事との間における取引の妥当性を担保する必要がありましたが、今後は理事会において、その取引の妥当性に関して決議することになり、手続きの手間等はかからなくなりました。
その反面、その取引において医療法人が損害を被った場合、取引をした理事や決議をした理事は、損害に対する賠償責任を求められることになります。

非常に留意すべき点が多く、今後の医療法人運営に大きな影響を与える今回改正事項について、次回もさらに取り上げていきたいと思います。